投稿

2021の投稿を表示しています

3Dプリンタのベルトテンション(張力)について

イメージ
3DPrinter Belt Tension Guide 概要 張力15.8Nを目安に張る 目標の張力値における、ベルトを弾いた時の音の周波数は計算で出せる 計算式 目標周波数は目標張力値とスパン長さとベルトの質量で導ける 周波数=1/(2xL)*√(F/μ) L=スパン長さ(m) F=ベルトの張力(N) μ=ベルト質量(kg/m) ( メルセンヌの法則 より) スパン長さは下図の様に弾きやすいベルトを選んで測る スプリングテンショナーが付けられている部分は正しく計測できないので避ける 例 スパン長さが250mmの場合は0.250m ベルトの初張力は2GT-6mmなら推奨値15.8N、最大値20 ベルトの質量は実測するか0.00080kg/m(0.8g/m)で代入する 周波数=1÷(2×0.250)×√(15.8÷0.0080) 周波数=88.8Hz あくまで推奨値なので多少前後しても問題はない、ベルトテンショナーのない機種であれば14N〜17.5Nの範囲内を目標にすればいい フレームの弱いKP3SのY軸なんかは11〜12Nぐらいでやめておいたほうがいい(十分張り強度があると思うし、実際それで綺麗に出力されてる) 余談だが自分の手持ちベルト2種類の単位質量はそれぞれ7.8g/mと8.8g/mだった ※張力値の出典 伝動 タイミングベルトの選定方法4 | 技術情報 | MISUMI-VONA【ミスミ】 ゲイツ・ユニッタ・アジア 総合カタログ(伝動用) CAT.B02-15 p184-195 使用上の注意、安全上の注意   相談FAXシート 周波数測定アプリ 周波数の測定は周波数の出る弦楽器のチューナーアプリで行うといい スマホのマイク部分をベルトに近づけて爪などで静かに弾くだけで計測される おわり

ヒートベッドの電流を外部MOSFETで分けてマザーボードへの電流負荷を分散させた

イメージ
3Dプリンター防火/火災予防の話 これを こうしたい 中華3Dプリンタの電気配線はなかなかにクレイジー このKP3Sもプリヒートで丸ピンコネクタの定格許容電流の倍にあたる電流を流して、 その後は定格許容電流に近い電流で運転しつづける KINGROON KP3Sを分解して動作時の電源コネクタを観察すると約60℃まで発熱していた これを容認するかそうでないかは意見の別れるところだが、少なくとも好ましい状態ではない 負荷分散もそうだが、マザーボード上の小さいMOSFETそれ自体も余裕が無いので突入電流で壊れてヒーターが暴走したりするので(実体験)物理的にも耐電圧的にもの大きなMOSFETを買って取り付けることはとても良いことである 部品代も安いしすべての3Dプリンターでやるべき MOSFET自体は日本のamazonでも1,000円以下で買える Aliexpressが使えるならMakerbase mks MOS25やBigtreetechのBTMOS v2.0あたりを買ったほうがいいと思う 電線は今回2m㎡のVCTFKを使った VCTFKはホームセンターで切り売りしてるし、amazonで買うならエーモンのダブルコードあたりでいいんじゃないか ネジ止め式の端子台を使うので圧着端子なしでもまあ可能なので誰でも作業できる 作業 まず、購入したMOSFETにシリコンパッドも熱伝導グリスも入ってなかったので自分でグリスを塗った そんな発熱しないだろうし無くても良いが個人的に塗りたかったので塗った KP3S本体へ取り付けるにあたりマウンタを作成した 完成写真 作業の様子 (電源からの線を1本にしようと、綺麗にまとめたいが為に圧着したり難しい特殊な作業になってるけど、普通に電源から2本線を引けばもっと簡単に終わる作業である) まず電源ユニットからの電源線を背面から入れて 筐体内でリングスリーブ圧着による三分岐 (1.電源からの線 2.マザーボードへ向う線 3.MOSFETモジュールへ向かう線) マザーボードへ向かう線はフレームの隙間から通線 MOSFETモジュールへの線は背面から出して接続(下側の電線) コネクタを生やすに当たってエーモンの250平型2極のコネクタを買った エーモン製品は近所のホームセンターや自動車用品店で買えるので遠出する交通費考えたらまあ便利 ヒーター電線とサーミスタ

klipperに物理ボタンを設置する(gcode button)

イメージ
 klipperマシンに物理ボタンを付ける話 1. MCUボードに物理ボタンを取り付けてGコードを実行させる まずボードの使ってないピンを見つけてそこにボタンを物理ボタンを接続する必要がある KP3Sの場合、SDカードを外部に延長するためのコネクタが生えているのでこれを利用したい klipperはMCUボードのSDカード使わんので都合がいい ピンアサインは次の通り PC12”以外” のピンは10kΩの物理抵抗で外部プルアップ回路が構成されている Robin_nano以外のボードは外部抵抗の無いピンから取ることの方が多いだろう PC8はプルアップ抵抗回路なのでPC8ピンをGNDへ落とすよう配線すればPC8ボタンが作れる 物理ボタンが出来たらファームウェア上でボタンを宣言する printer.cfgでの記述は次のようになる #CPUの内部プルアップ抵抗を使用する場合 [ gcode_button PC8 ] pin : ^ !PC8 press_gcode :   #CPUの内部プルダウン抵抗を利用する場合 [ gcode_button PC8 ] pin : ~ PC8 press_gcode :   #外部プルアップ抵抗回路の場合 [ gcode_button PC8 ] pin : !PC8 press_gcode :   #外部プルダウン抵抗回路の場合 [ gcode_button PC8 ] pin : PC8 press_gcode : CPUの内部プルアップ抵抗を利用する場合は「^」記号を記述する CPUの内部プルダウン抵抗を利用する場合は「~」記号を記述する 外部抵抗回路の場合「^」は必要ない プルアップ回路はピン番号の前に「!」を書いて入力を反転させる必要がある 今回は外部プルアップなので「!PC8」と記述すればいい ちなみに宣言する名前、 [ gcode_button PC8 ] の部分は任意の名前で良い 例えば [ gcode_button btn1 ] pin : !PC8 press_gcode : とすることができる 動作確認 物理スイッチをprinter.cfgに追加できたらスイッチの動作を確認する  Mainsailのコンソールタブを開きKlipper設定ファイルで宣言した名前で QUERY_BUTTON button=PC8

MoonrakerでSSRやスマートプラグを制御して3Dプリンタ本体電源と連動させる改造(Klipper、MainsailOS)

イメージ
エラーが出た3Dプリンターを非常停止信号で安全停止させる話 防火対策の一環 動作試験の様子 前置き Raspberry piでklipperサービスとMainsailフロントエンドをつなぐMoonrakerというAPIサーバーがある こいつのconfigに「プリンタの電源をGPIOで操作するんでおなしゃす」と数行書くだけでいとも簡単にプリンタ電源をSSR(ソリッドステートリレー)で動作させることができる Raspberry Piからスマートコンセントを叩くこともできるが、結局自宅内のネットワークを経由するのでネットワーク障害がつきまとう スマートコンセントのファームウェアアップデートで突然非対応になってしまう恐れもある エラーを検出したプリンタファームウェア自身がスタンドアロンで直接リレーを叩けるというのがすばらしい もちろん、電源のSSR化をしなくてもプリンタはFETをOFFにするので一定の安全性は確保されている ただ、FETがショートモードで故障した場合はヒーターを最大出力で際限なく加熱してしまう恐れがある エラー時にプリンタへ供給される100Vの一次電源を遮断できるというのはとても大事なのだ 緊急遮断させるのは3Dプリンタの電源だけなのでRaspbery piに保存されたログが破損する恐れはない 個人的にはRaspberry Piを常時起動させてプリンタの電源だけON-OFFさせる方針だし、それを推奨しているが、Raspberry piでプリンタ電源を制御するということはRaspberry Piの起動、停止とプリンタ電源が嫌でも連動する為、Raspberry Piを毎回シャットダウンしたい人にとっても便利な使い方となる モデル配布先 https://www.thingiverse.com/thing:4825849 電源からACインレットを取り外しモデル台座をねじで固定 Raspberry Piと上蓋をM2.5かM2.6のネジ10mm〜20mmで固定させる SSRはM3 10mmで固定 電気工事について 今回の改造だとどうしても100V側の配線工事が必要になる コンセントの2次側(外側)における電線の電気工事は軽微な電気工事に該当し、電気工事士の資格無しで行うことができる 法律上はできるが、工具は高いし部材も高いし正直現実的ではない なのでスマートコンセントを