ヒートベッドの電流を外部MOSFETで分けてマザーボードへの電流負荷を分散させた


3Dプリンター防火/火災予防の話

これを

こうしたい


中華3Dプリンタの電気配線はなかなかにクレイジー
このKP3Sもプリヒートで丸ピンコネクタの定格許容電流の倍にあたる電流を流して、
その後は定格許容電流に近い電流で運転しつづける
KINGROON KP3Sを分解して動作時の電源コネクタを観察すると約60℃まで発熱していた
これを容認するかそうでないかは意見の別れるところだが、少なくとも好ましい状態ではない

負荷分散もそうだが、マザーボード上の小さいMOSFETそれ自体も余裕が無いので突入電流で壊れてヒーターが暴走したりするので(実体験)物理的にも耐電圧的にもの大きなMOSFETを買って取り付けることはとても良いことである
部品代も安いしすべての3Dプリンターでやるべき
MOSFET自体は日本のamazonでも1,000円以下で買える
Aliexpressが使えるならMakerbase mks MOS25やBigtreetechのBTMOS v2.0あたりを買ったほうがいいと思う
電線は今回2m㎡のVCTFKを使った
VCTFKはホームセンターで切り売りしてるし、amazonで買うならエーモンのダブルコードあたりでいいんじゃないか
ネジ止め式の端子台を使うので圧着端子なしでもまあ可能なので誰でも作業できる

作業

まず、購入したMOSFETにシリコンパッドも熱伝導グリスも入ってなかったので自分でグリスを塗った
そんな発熱しないだろうし無くても良いが個人的に塗りたかったので塗った

KP3S本体へ取り付けるにあたりマウンタを作成した

完成写真


作業の様子

(電源からの線を1本にしようと、綺麗にまとめたいが為に圧着したり難しい特殊な作業になってるけど、普通に電源から2本線を引けばもっと簡単に終わる作業である)

まず電源ユニットからの電源線を背面から入れて
筐体内でリングスリーブ圧着による三分岐
(1.電源からの線 2.マザーボードへ向う線 3.MOSFETモジュールへ向かう線)
マザーボードへ向かう線はフレームの隙間から通線
MOSFETモジュールへの線は背面から出して接続(下側の電線)

コネクタを生やすに当たってエーモンの250平型2極のコネクタを買った
エーモン製品は近所のホームセンターや自動車用品店で買えるので遠出する交通費考えたらまあ便利

ヒーター電線とサーミスタ電線は1本のチューブにまとめられていたものを2本に分離させる必要がある
ヒーター電線は断線対策にバネを取り付けた
(要らないかもだけどかっこいいからヨシ!)
ヒーター電線は長すぎるのでカット

サーミスタ電線はスネークチューブだと大きすぎるのでVCTFKの被覆をチューブとして利用した
断線対策でありながら見栄えも良くなった
筐体内で結束バンド固定


結果

サーマルカメラで撮影してみたが電線経路において温度が室温より高いところは無い
MOSFETも少しぐらい発熱するかと思ったが全然発熱しない感じだった

おわり

余談:ノズルヒーターにMOSFETをお下がりさせた

ヒートベッドで使ってたマザーボード上のMOSFETやターミナルブロックはノズルヒーターより大容量なので(機種による)、ノズルヒーターへお下がりさせた
ファームウェアをビルドしないとピン番号を入れ替えられないので余談とした

余談:MOSFETモジュール(のフォトカプラ)をマイコンのデジタル出力信号(3.3v)で直接動かす

出力信号でオンボードMOSFETを動かして、オンボードMOSFETから出る24V出力で外部MOSFETを動かすのが少し嫌だ
LED光らせるだけの負荷でオンボード側が故障することも滅多にないだろうけど取っ払えるならそうしたい
要はフォトカプラのLEDを20maで光らせりゃいいだけなので、24v前提で付いてるR5の抵抗を3.3vで使えるように小さい抵抗にする
今回は2.2kΩを取り付けた

信号はマザーボードのPB2ピンを使用(GNDはMOSFETボード内で取った)
klipper MUCがKlipper Hostと通信できてないスタンドアロン起動の状態ではPB2がONになりっぱなしになるので、「GPIO pins to set at micro-controller startup」で!PB2と定義してMCUファームウェアをリビルドした

余談:不良品に当たった

購入した基板が全部不良品だった(現実はクソ)

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