Orbiter Extruder mount for KP3Sの作り方



モデル公開先


ストックホットエンドと比較した特徴

■利点

・軽量

・フィラメントパスが短い

・メンテナンス性が高い

・ノズルファンの性能が高い

■欠点

・GHOST5専用設計のホットエンドなので入手先がFlyingBearしかない

・ヒートブレイクの選択肢も少ない

部品表(BOM)

【印刷パーツ】

Aパーツ(Xキャリッジ)

Bパーツ(ファンダクト)

Cパーツ(ホットエンドのカップリング)

※オフセット31種類

【購入するもの】

Orbiter Extruder v1.5    1個


Ghost5純正ホットエンド    1個



https://ja.aliexpress.com/item/1005001405511170.html?spm=a2g0o.store_pc_groupList.8148356.17.5a831f6bEBraZq

(Flying bear Storeで保守部品として売られているものHaldis版のbi-metalヒートブレイクとセットになったものは非推奨)

M3 ナット 6個

M3 ワッシャー    4個

キャップボルト M3 10mm    2個

キャップボルト M3 15mm    6個

キャップボルト M3 20mm    1個

キャップボルト M3 25mm    1個

皿ネジ M3 10mm     2個

4020ブロアファン     1個

3010軸流ファン    1個(ストック品を流用可能)

JST_SMコネクタ

【任意品】

BLtouch    1個

V6ヒーティングブロック+ノズル    1個

組み立て

Aパーツにビニタイを通しておきます

印刷時にサポートがつかないように注意しましょう

次にAパーツ、Bパーツにナットを接着剤で固定します

ナットを接着剤で固定します
アロンアルファを少量垂らして、
(…多すぎやろ)

ナットを挿入


一度ボルトで引っ張り固定します

ファンを取り付けます

ホットエンドとCパーツを皿ネジM3_10mmで固定します

PTFEチューブが通ることを確認します。通ら無い場合はドリルとかで整えてください

OrbiterとCパーツ、ホットエンドを一旦固定します

OrbiterとCパーツとホットエンドだけを固定してPTFEチューブを奥までガッと入れます

カッターの刃でツライチに切ります
一旦ツライチより長く切って、飛び出した分を削ぎ落とすといい感じです
あとからCパーツの長さを変更した場合はチューブの長さが変わるのでやり直しが必要になります
余談ですが開発時にこれに気づかず、どうセッティングしても糸引きのひどい状態が出て頭を悩ませました

ヒートブレイクのヒートシンク側に熱伝導グリスを塗ります
(ヒーターやサーミスタ部分に塗るのは悪影響なのでやめましょう)

チューブを作ったら一旦ばらして

Orbiter、Aパーツ、Cパーツ、ホットエンドで組みます
写真のようにヒートブレイクの固定ネジが見えるようにします

Aパーツにラインが引いてあるので、写真のようにブロックを平行に合わせます

ラインが合ったらブロックの固定ネジを締めます

Aパーツにファンをネジ止めします

V6用に売られているファンを買ってネジごと流用しました

こんな感じになる

MGNブロックに固定する
M3_15mmのボルトとワッシャーを使用します

BL Touchを取り付けます
プローブのマウントポイントは
x_offset: -26.6
y_offset: -2.55
になります
Bパーツにブロアファンをネジ止めします
M3_20mmのネジとナットで上側のみ固定します
軽量化を目的に結束バンドやビニタイに変更してもいいかもしれません

写真の様にM3_25mmのネジでAパーツとBパーツを合体させます

この時ベッド付近まで下げてノズルとダクトの位置関係を確認します
ここは好みできめてください
基準のCパーツからオフセットされたCパーツに変更してホットエンドを上げ下げ出来ます

上でも述べましたが、Cパーツ変更時にPTFEチューブの長さも変わるのでチューブカットの工程が再度発生します
オールメタルやバイメタルヒートブレイクを使用する場合も多少はチューブを使いますし、その場合も同様に長さの調節が必要になります
Aパーツを取り外さず、Cパーツとホットエンドを取り外しできるので、チューブの再調整はそれほど大変ではありません

ケーブルを束ねたら

完成になります


ネジ類まで含めたホットエンドの重量は丁度270g
思ったより重い

セッティング

Eモーターの電流値を変更する

Orbiter自体のセッティングは
に詳しく描いてある
とりあえずモーター電流を0.4Aに変更したい

【UARTモードでソフト的に制御する場合】

ドライバにUARTの配線をはんだ付けして

モータードライバのR10を取り外す
(PDN/UARTピンをUART通信端子として使う際にはLogick HiにしろとTMC2225のデータシートに記載してある)


E0のジャンパピンを

全部抜いて



ドライバをぶっ挿して、UARTを適当な取りやすいピン(今回はPA3)に接続して
ファームウェア上で設定する
klipperだと次のように書き足す
Orbiterだからホールド電流はイラネってなった
[tmc2208 extruder]
uart_pin: PA3
run_current:0.4
hold_current:0.01
sense_resistor: 0.110
stealthchop_threshold: 0

40℃ぐらいの低い温度で動作してくれる
Orbiter公式曰く、あまり発熱すると遊星歯車が溶けるらしいので60℃以下で使いたい

追記:KP3S3.0のv1.3マザーボードの場合
作業の様子

ピンアサインは固定
X:PA5 Y:PC13 Z:PC7 E0:PA10 E1;PA9

温度調節ハンダゴテと鉛フリーはんだを使う


【可変抵抗で電流値を変更する場合】
ハンダ付け無理ぽよ〜って人間はこっちの方法で
UARTを使わないスタンドアロンモードの場合はVref端子とGND間をテスターで当たり、可変抵抗を回して調節する

KP3SのTMC2225モータードライバの電流値設定は次のようになる
1.64Aが最大電流値になる模様

電流値 (A) Vref (V)
0.3 0.45
0.4 0.60
0.5 0.76
0.6 0.92
0.7 1.07
0.8 1.22
0.9 1.37
1.0 1.52
1.1 1.68
1.2 1.83
1.3 1.98
1.4 2.13
1.5 2.28
1.6 2.44
1.64 2.50

今回目標の400mA(0.4A)だとVrefは0.6Vになるように可変抵抗を回せばいい


計算方法
TMC2225のデータシートには
目標電流Irmsに対するテスターVref値は次の計算式を使うとのこと
Rsense(センス抵抗)の値はモータードライバモジュールやマザーボードの回路図をみて、BRのAとBに接続されている抵抗値を参照するらしい


私のKP3Sのモータードライバモジュールは「MKS TMC2225 v1.0」が使用されているのでMakerbaseのGitHubで公開されている回路図を確認すると110mΩが使われているとのこと
(下の図のR4とR5がそれ)


あとはスマホのアプリなんかで計算して値を出す
ちなみに、Rsense値が110mΩだと1.64Aが最大電流値になる

Extruderの動作最低温度を無効化する

エクストルーダはノズル温度が170℃にならないと回らないようにファームウェアで制限がかかっている
marlinだと「EXTRUDE_MINTEMP 170」
klipperだと「min_extrude_temp: 170」
で設定されている
これを170℃→5℃とかに変更すればいつでもエクストルーダーが回るようになる
もちろんエクストルーダを壊さないためにこれがあるのはわかるがノズル加熱前にロードしたい場合は多分にある
とりわけOrbiterは手で回せる歯車が無く、モーターにロード、アンロードを頼まなければならない

リトラクション

0.8mmぐらいがスイートスポットっぽい
リトラクション速度は公式に60mm/sと書いてあるのでそれに従った

純正ファームウェアで使用する場合

※注意
純正ファームウェアをもう使用してないので簡単な検証しかしてません
数字が間違ってるかもしれません
記述内容をよく理解した上であなたの責任で変更してください


>Z_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER -0.1
→調節前なので高めに設定
 
>X_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER -26.6
>Y_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER -2.55
→この値になると思います

>LEFT_PROBE_BED_POSITION  5
>RIGHT_PROBE_BED_POSITION  153
>FRONT_PROBE_BED_POSITION  5
>BACK_PROBE_BED_POSITION  177
→この値になると思います

おわり

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