Orbiter Extruder mount for KP3Sの作り方
モデル公開先
ストックホットエンドと比較した特徴
■利点
・軽量
・フィラメントパスが短い
・メンテナンス性が高い
・ノズルファンの性能が高い
■欠点
・GHOST5専用設計のホットエンドなので入手先がFlyingBearしかない
・ヒートブレイクの選択肢も少ない
部品表(BOM)
【印刷パーツ】
Aパーツ(Xキャリッジ)
Bパーツ(ファンダクト)
Cパーツ(ホットエンドのカップリング)
※オフセット31種類
【購入するもの】
Orbiter Extruder v1.5 1個
Ghost5純正ホットエンド 1個
(Flying bear Storeで保守部品として売られているものHaldis版のbi-metalヒートブレイクとセットになったものは非推奨)
M3 ナット 6個
M3 ワッシャー 4個
キャップボルト M3 10mm 2個
キャップボルト M3 15mm 6個
キャップボルト M3 20mm 1個
キャップボルト M3 25mm 1個
皿ネジ M3 10mm 2個
4020ブロアファン 1個
3010軸流ファン 1個(ストック品を流用可能)
JST_SMコネクタ
【任意品】
BLtouch 1個
V6ヒーティングブロック+ノズル 1個
組み立て
Aパーツにビニタイを通しておきます
印刷時にサポートがつかないように注意しましょう
次にAパーツ、Bパーツにナットを接着剤で固定します
ナットを接着剤で固定しますアロンアルファを少量垂らして、
(…多すぎやろ)
OrbiterとCパーツ、ホットエンドを一旦固定します
OrbiterとCパーツとホットエンドだけを固定してPTFEチューブを奥までガッと入れます
カッターの刃でツライチに切ります
Orbiter、Aパーツ、Cパーツ、ホットエンドで組みます
写真のようにヒートブレイクの固定ネジが見えるようにしますAパーツにファンをネジ止めします
ナットを挿入
一度ボルトで引っ張り固定します
ファンを取り付けます
ホットエンドとCパーツを皿ネジM3_10mmで固定します
PTFEチューブが通ることを確認します。通ら無い場合はドリルとかで整えてください
OrbiterとCパーツとホットエンドだけを固定してPTFEチューブを奥までガッと入れます
カッターの刃でツライチに切ります
一旦ツライチより長く切って、飛び出した分を削ぎ落とすといい感じです
あとからCパーツの長さを変更した場合はチューブの長さが変わるのでやり直しが必要になります
余談ですが開発時にこれに気づかず、どうセッティングしても糸引きのひどい状態が出て頭を悩ませました
ヒートブレイクのヒートシンク側に熱伝導グリスを塗ります
(ヒーターやサーミスタ部分に塗るのは悪影響なのでやめましょう)
チューブを作ったら一旦ばらして写真のようにヒートブレイクの固定ネジが見えるようにします
こんな感じになる
M3_15mmのボルトとワッシャーを使用します
BL Touchを取り付けます
プローブのマウントポイントは
x_offset: -26.6
y_offset: -2.55
Bパーツにブロアファンをネジ止めします
M3_20mmのネジとナットで上側のみ固定します
軽量化を目的に結束バンドやビニタイに変更してもいいかもしれません
写真の様にM3_25mmのネジでAパーツとBパーツを合体させます
この時ベッド付近まで下げてノズルとダクトの位置関係を確認します
ここは好みできめてください
基準のCパーツからオフセットされたCパーツに変更してホットエンドを上げ下げ出来ます
上でも述べましたが、Cパーツ変更時にPTFEチューブの長さも変わるのでチューブカットの工程が再度発生します
オールメタルやバイメタルヒートブレイクを使用する場合も多少はチューブを使いますし、その場合も同様に長さの調節が必要になります
Aパーツを取り外さず、Cパーツとホットエンドを取り外しできるので、チューブの再調整はそれほど大変ではありません
思ったより重い
セッティング
Eモーターの電流値を変更する
Orbiter自体のセッティングは
に詳しく描いてある
とりあえずモーター電流を0.4Aに変更したい
【UARTモードでソフト的に制御する場合】
ドライバにUARTの配線をはんだ付けして
(PDN/UARTピンをUART通信端子として使う際にはLogick HiにしろとTMC2225のデータシートに記載してある)
温度調節ハンダゴテと鉛フリーはんだを使う
E0のジャンパピンを
全部抜いて
ドライバをぶっ挿して、UARTを適当な取りやすいピン(今回はPA3)に接続して
ファームウェア上で設定する
klipperだと次のように書き足す
Orbiterだからホールド電流はイラネってなった
[tmc2208 extruder]
uart_pin: PA3
run_current:0.4
hold_current:0.01
sense_resistor: 0.110
stealthchop_threshold: 0
40℃ぐらいの低い温度で動作してくれる
Orbiter公式曰く、あまり発熱すると遊星歯車が溶けるらしいので60℃以下で使いたい
追記:KP3S3.0のv1.3マザーボードの場合
作業の様子
ピンアサインは固定
X:PA5 Y:PC13 Z:PC7 E0:PA10 E1;PA9
【可変抵抗で電流値を変更する場合】
ハンダ付け無理ぽよ〜って人間はこっちの方法で
UARTを使わないスタンドアロンモードの場合はVref端子とGND間をテスターで当たり、可変抵抗を回して調節する
KP3SのTMC2225モータードライバの電流値設定は次のようになる
1.64Aが最大電流値になる模様
電流値 (A) | Vref (V) |
0.3 | 0.45 |
0.4 | 0.60 |
0.5 | 0.76 |
0.6 | 0.92 |
0.7 | 1.07 |
0.8 | 1.22 |
0.9 | 1.37 |
1.0 | 1.52 |
1.1 | 1.68 |
1.2 | 1.83 |
1.3 | 1.98 |
1.4 | 2.13 |
1.5 | 2.28 |
1.6 | 2.44 |
1.64 | 2.50 |
今回目標の400mA(0.4A)だとVrefは0.6Vになるように可変抵抗を回せばいい
計算方法
TMC2225のデータシートには
目標電流Irmsに対するテスターVref値は次の計算式を使うとのこと
Rsense(センス抵抗)の値はモータードライバモジュールやマザーボードの回路図をみて、BRのAとBに接続されている抵抗値を参照するらしい
私のKP3Sのモータードライバモジュールは「MKS TMC2225 v1.0」が使用されているのでMakerbaseのGitHubで公開されている回路図を確認すると110mΩが使われているとのこと
(下の図のR4とR5がそれ)
あとはスマホのアプリなんかで計算して値を出す
ちなみに、Rsense値が110mΩだと1.64Aが最大電流値になる
TMCドライバー電卓 pic.twitter.com/CUdMgRtrF4
— 味噌汁 (@3D31663457) June 25, 2022
Extruderの動作最低温度を無効化する
エクストルーダはノズル温度が170℃にならないと回らないようにファームウェアで制限がかかっている
marlinだと「EXTRUDE_MINTEMP 170」
klipperだと「min_extrude_temp: 170」
で設定されている
これを170℃→5℃とかに変更すればいつでもエクストルーダーが回るようになる
もちろんエクストルーダを壊さないためにこれがあるのはわかるがノズル加熱前にロードしたい場合は多分にある
とりわけOrbiterは手で回せる歯車が無く、モーターにロード、アンロードを頼まなければならない
リトラクション
リトラクション速度は公式に60mm/sと書いてあるのでそれに従った
純正ファームウェアで使用する場合
※注意
純正ファームウェアをもう使用してないので簡単な検証しかしてません
数字が間違ってるかもしれません
記述内容をよく理解した上であなたの責任で変更してください
>Z_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER -0.1
→調節前なので高めに設定
>X_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER -26.6
>Y_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER -2.55
→この値になると思います
>LEFT_PROBE_BED_POSITION 5
>RIGHT_PROBE_BED_POSITION 153
>FRONT_PROBE_BED_POSITION 5
>BACK_PROBE_BED_POSITION 177
→この値になると思います
おわり
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