KINGROON KP3S Suzume Upgrade Kit の組み立て方
※このMODは役割を終えました。
初期型の古いKP3Sを低コストでアップグレードする目的で作られたものです。
KP3S Suzume Upgrade Kitを装着した事によるいかなるトラブルも私は一切責任を負いません
これを装着するとY軸のベッドサイズが5mm縮小されます
※テーブルキャリッジにドリルでオフセットした穴を開け直せばY軸関係の煩わしさはすべて解決するはずです(未検証)
配布先 Thingiverse
https://www.thingiverse.com/thing:4637266
組み立てに必要なもの
【必須】
・4020ブロアファン(24V)
または
・5015ブロアファン(24V)
4020の方が軽量でファンの回転によるX軸に対するジャイロ効果の影響が少ないです
5015はより強力な風圧風量を出せます
4020でも風量は十分出るのでどちらを選択しても正解です
この記事では4020の使用を前提として説明します
・4010軸流ファン(24v)
・M3 20mm ネジ2本
・M3 15mm ネジ6本
・M3 10mm ネジ2本
・M3 ナット 6個
・M3 ワッシャー 4枚
・幅2.5mmの小さい結束バンド
(hellermanntytonのAB100推奨)
・配線加工道具一式
【任意】
・接着剤(ナットと樹脂がつけば何でもいい)
・降圧DCDCコンバーター(推奨) or PWMファンコントローラー
・3D Touch
特徴
悪い点
・ベッドサイズのY軸が5mm縮小される
・ファームウェアを書き換えてベッドポジションを変更する必要がある
(ファームウェアの書き換えについてはこのページの最後に記載します)
良い点
・X軸の軽量化
・メンテナンス作業性の向上
写真のようにホットエンドへのアクセスが容易です
・静音化可能
純正より冷却がパワフルなので冷却性能を落として静音化にステ振り出来ます
・冷却性能向上
純正ファンダクト100%とSuzume Upgrade 50%のオーバーハングテスト性能の比較です
どの方向も性能向上しています
100%で使えば更にいい感じです(音がうるさいけど純正よりはマシな程度)
【使用モデル】
Cooling fan test torture test
基本パーツ名称と印刷方法
01.Suzume スーパーキャリッジ
インフィル50%以上で印刷
ビルドプレートと接地する部分にサポートを入れてください
素材の硬いPLAが向いているように思えます
PLAの耐久性についてはよくわかりません
02.Suzume ウルトラ ダクト
インフィル25%以上で印刷
ビルドプレートと接地する部分にサポートを入れてください
通常使用する分にはPLAでも問題ありません
ABSの印刷もこなせます
ただ加熱したまま分解するなどしてヒートブロックに接触した場合は一瞬で壊れます
可能であればABSかPETG推奨です
03.Suzume ハイパー ファンマウンタ
インフィル25%以上で印刷
ビルドプレートと接地する部分にサポートを入れてください
04.Suzume Y軸4mmオフセットするやつ
インフィル25%以上で印刷してください
ビルドプレートと接地する部分にサポートを入れてください
オプションパーツ名称
E1.Suzume デンジャラスY軸6mmオフセットするやつ
インフィル25%以上で印刷してください
ビルドプレートと接地する部分にサポートを入れてください
E2.Suzume 5015 ファンアダプタ
インフィル25%以上で印刷してください
ビルドプレートと接地する部分にサポートを入れてください
注意事項
ベッドのオフセットパーツについて
・Suzume Y軸4mmオフセットするやつ
・Suzume デンジャラス Y軸6mmオフセットするやつ
と2種類あります
ファームウェアを書き換えてもいいよって人は6mmを使用し、
ファームウェア書き換えたくねぇよって人は4mmを使ってください
オフセットパーツを装着する前にテスト印刷可能ですので最後に考えてください
ファームウェアの書き換え方法はページの最後に記載します
(ファームウェアは純正に戻せます)
(使えるベッドサイズはどのみち一緒です)
理由
純正とモーターの向きを変えている都合上、ホットエンドが純正より5〜6mm手前に位置しています
ファームウェアでYmin値を6にしてもオフセットしなかった為、キットにはYminをオフセットするパーツが付属します
6mmオフセットするとYmax値が程物理可動域を超えます
なのでファームウェアでYmaxを5mm縮小してこれを回避します
4mmはファームウェアを書き換えないでオフセットできる限界値です
メーカーが取っている物理的な安全マージンを削るのでY軸の可動範囲はよく確認してください
KP3S Suzume Upgrade Kitを装着した事によるいかなるトラブルも私は一切責任を負いません
組み立て方
最初にすべてのパーツをすぐ見してナットホールにナットを接着しておくことを推奨します
モーターをsuzume スーパーキャリッジに乗せてエクストルーダーを取り付けます
ヒーターの向きを写真のように変更してください
suzume ウルトラダクトと4020ブロアファンをM3 20mmのネジで固定します
接合部にバリなどがあると割れてしまいますのでネジ止め前にいい感じにしておいてください
ここのネジはトルクをかけすぎるとファンが潰れますので気をつけてください
4020装備と5015装備の写真です
ファンダクト上下固定の上側のネジは8mmを使うか省略して下側ネジ1本で固定してください
ヒートブレイクの軸流ファン取り付け後に結束バンドや針金で固定してください
必ずワッシャーを使用してください
ファンの電線のコネクタ化は下記の別記事で解説してます
裏から見て写真のようにいい感じにノズルが中央に来ていることを確認します
ファンダクトより2、3mmノズルが飛び出ていることを確認してください
リニアマウントの台車にsuzume スーパーキャリッジをM3 15mmのネジで止めます
1本ずつ増し締めせずに4本のネジを8割締めてから均等に増し締めしていきます
suzume ハイパーファンマウンタに4010ファン、必要であれば3Dtouchをネジ止めします
ファンはM3 15mm、3Dtouchのネジは適当に使用してくださいM3 8mm以上で設計してます
3Dtouchのオフセット設定は
x=-33.5、y=0 です
Z OFFSSETは各自で設定してください
参考までに今の私の設定は-2.8です
3Dtouchを使用する場合のファームウェアの書き換え方法はこのページの最後で説明します
suzume スーパーキャリッジにsuzume ハイパーファンマウンタを固定します
ネジはM3 10mmです
配線を接続して結束バンドで固定したらKP3S Suzume Upgradeの完成です
オフセットパーツを取り付けていないのでY軸ホームポジションはズレていますが小さい造形物ならこのままテスト印刷可能です
テスト印刷をして良好であれば
本体を開けてY軸4mmオフセットするやつを写真のように結束バンドで取り付けてください
冷却ファンの設定/静音化
純正より高い冷却性能を維持したまま静かなマシンにすることが出来ます
【音量注意】KP3Sストックファンの音
デフォルトファンの冷却性能に近い設定の音(設定電圧は参考しないでください。使用するファンのメーカー、電流、回転数で大きく異なります)
私が今使用する静音設定の音
(設定電圧は参考しないでください。使用するファンのメーカー、電流、回転数で大きく異なります)
※PWMファンコントローラーは、一部対応しないファンが存在します
確実に動作させたい場合は降圧(ステップダウン)DCDCコンバーターを用意してください
※PWMファンコントローラーはファン動作時の電圧で設定してください
ノズルファンの設定(4020ブロアファン)
suzumeのファン速度40%設定が純正ファンダクト100%と同等か少しいいぐらいの性能でした
音量と性能のバランスで好きな値に設定してください
後付でDCDCコンバータやPWMファンコンを付ける場合は、本体PWMが無効化されますので段階的なファン速度上昇の機能は失われます
スライサーからファン速度設定できなくなるのでおすすめしません
本体PWMの使用を推奨します
どうしてもPWMのノイズが気になる方は後付のDCDCコンバーターを付けてクーリングタワーテストを行いお気に入りの電圧設定をみつけましょう
ヒートブレイクファンの設定 (4010軸流ファン)
こちらは本体でファン速度を変更出来ないので後付DCコン/ファンコン推奨です
温度測定の結果suzumeの約65%設定(ファンに与えるワット数)が純正と同等性能でした
冷却性能落としてもトラブルが出なければいいじゃん派の私は純正より能力を下げて45%で運用してます
それ以下は音量的にあまり意味がありませんでした
あまりおすすめしませんがPWMケースのモデルも一応公開しています
筐体内にネジ止めして接着剤で調整ボリュームを固定しています
電源ファン
電源ファンの静音化をしたい場合は以前書いたEnder-3の記事が参考になるかと思います
ファームウェアの設定変更
■最初にデフォルトファームウェアに戻す方法を記載します
下記のリンクからKP3Sのノーマルファームウェアをダウンロードしましょう
使用するファイルは
・Robin_nano.bin(ファームウェア本体)
・robin_nano_cfg.txt(設定ファイル)
の2つです
Robin_nano.binとrobin_nano_cfg.txtをSDカードのルートディレクトリにコピーして電源を再投入することでデフォルトファームウェアにロールバックすることが出来ます
ファイルの名前を変更してはいけません
■デンジャラス6mmを使用し、3Dtouchは使わないファームウェア
KP3Sのノーマルファームウェアをダウンロードしましょう
使用するファイルは
・Robin_nano.bin(ファームウェア本体)
・robin_nano_cfg.txt(設定ファイル)
の2つです
Robin_nano.binとrobin_nano_cfg.txtをSDカードのルートディレクトリにコピーして電源を再投入することでファームウェアが書き換えられます
ファイルの名前を変更してはいけません
robin_nano_cfg.txtを開き、次の項目を編集します
必ず半角英数字で記入しましょう
>Y_MAX_POS 180
→175に変更してください
■3Dtouch+デンジャラス6mmどちらも使用するファームウェア
まずKP3S-Firmware-3Dtouchをダウンロードしましょう
使用するファイルは
・Robin_nano.bin(ファームウェア本体)
・robin_nano_cfg.txt(設定ファイル)
の2つです
Robin_nano.binとrobin_nano_cfg.txtをSDカードのルートディレクトリにコピーして電源を再投入することでファームウェアが書き換えられます
ファイルの名前を変更してはいけません
robin_nano_cfg.txtを開き、次の項目を編集します
必ず半角英数字で記入しましょう
>Y_MAX_POS 180
→175 に変更してください
>INVERT_E0_DIR 0
→1にしてください(公式が間違い)(2021/2/20現在は修正されている)
>Z_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER -0.8
→最初はこの値でいいでしょう
M851コマンドでZ OFFSET の設定値見つけてください
https://marlinfw.org/docs/gcode/M851.html
BLtouchの解説記事や動画を参考にしてください
>X_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER 27.5
→-32.5(マイナス32.5)にしてください
>Y_PROBE_OFFSET_FROM_EXTRUDER 0
→変更はありません
>LEFT_PROBE_BED_POSITION 30
→10に変更してください
>RIGHT_PROBE_BED_POSITION 170
→147に変更してください
>FRONT_PROBE_BED_POSITION 30
→10に変更してください
>BACK_PROBE_BED_POSITION 170
→変更はありません
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